オフィスでスタバる話

 コーヒーは好きなので毎日飲んでいる。毎朝起きたらすぐにお湯を沸かし、ドリッパーにコーヒー粉をセットしてコーヒーを入れるのが日課だ。こう書くとさぞおしゃれな生活をしているんだろうと勘違いしていただけそうだが、実際は単にインスタントよりも安いからに過ぎない。ドリッパーをプレゼントでもらってしまった手前もある。

 それはさておき、家に限らず外でもコーヒーを飲みたくなることはある。そういう時に手軽に買えるのがコンビニのコーヒーである。

 最近はコンビニ各社が力を入れていることもあって、ワンコイン100円でなかなかの味のコーヒーが飲めるようになった。ありがたいことである。しかし、コンビニコーヒーには少し不満に思うところがある。それは持ち運びしづらいことである。もちろんフタはつけるのだが、蒸気ぬけの穴が開いているし、そもそも紙コップにかぶせるフタなので密閉をすることができず、どうしても歩いて持ち運ぶ途中に漏れてしまう。「いやコンビニから会社までそんなに離れてないだろ」と思われるかもしれないが、歩くルートを考えると最寄りのコンビニよりも、少し離れていてもルート沿いにあるコンビニを利用したほうが近いケースもあり、なかなかそう簡単にはいかない。コンビニで買ったコーヒーをその場で飲む場合のほうが少ないはずなのでサービス設計の問題の気がするが、このあたりはぜひコンビニ各社の皆さまに検討していただきたいところである。

(一度、持参のポットに移し替える方を見かけたことがあるが、それなら初めから家から持ってくるわ、と思う貧乏性のワタシ)

 

 そんな折、スターバックスがオフィスに専用マシンを貸し出す、というニュースが目に飛び込んできた。

職場で「入れたてスタバ」専用マシン貸し出しへ
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180219-OYT1T50011.html

 記事の中ではコンビニのコーヒーについても触れられているけど、上記のとおり、コンビニのコーヒーは持ち歩くのが大変なので、初めからオフィスに入り込んでしまう、というのは自然な流れ。似たようなサービスとしてネスカフェバリスタ(ネスカフェアンバサダー~♪のあれ)があるが、オフィスグリコなどとも同じで、店舗に足を運んでもらいづらければ、よろしいこっちから出迎えに行ってやろう、という潔い決断で、自分は嫌いじゃない。

 ただ、これを導入する側で考えた場合、レジャー施設についてはとりあえずおいておいて、記事にあるオフィスで1日100杯も売れるイメージがつかない。気前のいい企業はフリーサービスにするかもしれないし、実費払い程度で済むこともあるかもしれないが、それでもそこそこの規模のオフィスでないと、1日100杯も出ないと思う。1日100杯出そうと思うと、70~80人くらいのコーヒー好きが必要で、コーヒー好きの人がおよそ3分の1としても、250人以上の規模のオフィスでないと、なかなか目標には到達できない。

 何が言いたいかというと、オフィス単位ではなく、オフィスビル単位とかのサービスにならないか、と思ったわけで。オフィスの管理会社が契約して、実費+αでコーヒーの価格を設定し、オフィスビル内に出入りする人であれば誰でも購入可能にする。東京の規模の会社だとオフィスビル単位だと数千人が出入りしそうだが、地方のオフィスビルであればそこまでの規模のオフィスがそもそも少ないので、1~2台もあれば十分賄えるし、エレベーターの近くにでも設置しておけば、ほとんどの人が目にするため、購入にもつながりやすい。お昼休みにコンビニで買い物をして、戻るついでにコーヒーを淹れてオフィスに戻る。あるいは昼食を終えて、食後の一杯かもしれない。持ち歩きもエレベーター内とエレベーターからオフィスまでに気を付ければいいので、こぼれる心配もほとんどない。何と優雅な昼の午後だろうか。(エレベーター内でこぼしたら大惨事だが) 業務中に気軽にコーヒーを淹れに行けないと思われる方もいるかもしれないが、簡単なことである。コーヒーマシンをエレベーター内においてしまえばいい。そうすればコーヒーマシンの方からオフィスに近づいてきてくれる。

 エレベーター内に置くのは極端としても、要は、サービス導線をどうやって設けるか、っていうことが大事って話だ。こういうサービスは得てして東京目線で考えられがちなので、どうやって全国各地それぞれの得所に合わせて広げていくか。スターバックスならではの細やかな気遣いに期待したい。