ビジネスの種は目の前に転がっている

 前回の記事でコンビニコーヒーについて触れたが、コンビニについて(というかコンビニのレジ打ち)は思うところが多い。

 一応断っておくと、自分は以前にコンビニでバイトをしたこともあり、そこそこ捌きも早かった。お昼時のピークなどは、「こっちのレジは早いからなるべくこっちで会計したい」と言ってくれたお客さんもいた(一人だけだが)。コンビニ店員の大変さはそれなりによく分かっている。

 だからこそ、ちょっとしたことで、ん?となってしまうことが多い。めったにコンビニを使わないからなおさらだ。

1.小銭onレシート

 これについては賛否両論あると思うが、個人的にレシートを手の上において、そこに小銭を乗せるという渡し方が大嫌いである。これはコンビニに限らずどこのお店でもそうだ。理由は、それをすることで小銭を落としにくくなるという効果が感じられないのと、レシートがくしゃくしゃになってしまうからである。

 レシートは言うまでもなく購入証明書であり、人によっては保管しておく人もいる。自分もとっておくタイプなので、くしゃくしゃにされることで保管しにくくなるのがすごく嫌なのだ。なので理想は、小銭を手のひらの上に置いたあとで、紙幣と一緒に渡すか、紙幣のお釣りが出ない場合は、小銭を置いた手のひらの上に、手に取りやすいように渡すことである。

 コンビニでレジ打ちをしていた時は、レシートを受け取らない人も多かったため(特に男性)、小銭を先に渡して、レシートは受け取っても受け取らなくても構わないような微妙な距離で持って準備しておく、ということをしていた。受け取らない場合はそのままレシート入れに置くし、受け取る方は小銭をしまった後で、紙幣を入れるところにしまわれる場合が多いので、それなりにスムーズな流れだったと思う。

2.レシートを折って渡す

 これも腹立たしい案件。まとめ買いが多かったり、クレジット払いすることが多いのでどうしてもレシートが長くなってしまうのだが、これを勝手に折って渡されるのも好きじゃない。あまつさえ小銭onレシートをされようものなら、クレームをつけかねないほどだ。ガマンするけど。

 これも嫌だと思う理由は2つあって、確かに財布に入りきらないくらい長いレシートになることはあるので、財布に入りきらない長さの場合は自分も折ってしまう。ただ、店員の折り方は雑なことが多く、端と端がそろってない折り目だったり、品目リストの途中などで折られるのも嫌なので、結局折り直すことになりただの手間でしかない。もう1つの理由は、ほとんどのレシートは感熱紙で印刷されるため、保管する際は印字面を内側にして折る必要があるが、レシートを折る店員はほぼ100%の割合で印字面を外側にして折る。レシートが必要な人は購入証明書として利用するからしまうのであり、その保管のためには内折りが必要、ということを考えれば、店員が折るにしてもどっち向きに折るべきか考えられそうなものである。

 そもそも購入証明書としてレシートが長くなった場合はしょうがないとしても、レシートの下に広告が追記されることでレシートが長くなるのはどうかと思う。プロモーションをするにしても、2枚に渡って出てくるか、切り取り線を入れておいてほしいところだ。

3.おにぎり

 コンビニ自体を滅多に利用しないのだが、たまに生命維持活動に必要なカロリーが足りなくなることがあり、飛び入りで食べ物を買うことがある。食べ物の種類はさまざまだが、その中でおにぎりを買った時の話。

 今すぐ必要な最低限のカロリーを得るための購入だったので、おにぎりを購入し、レジ袋は断った。すると店員は購入した証として、店舗用のテープを商品に貼った。ここまではよく見る光景である。しかし、貼った場所が問題だ。コンビニのおにぎりはほとんどが、最初におにぎりを包むセロファンの中央を縦に裂く、ことから始まる(パックタイプを除く)。しかし、おにぎりを購入してレジ袋を断ると、そこそこの確率でこの中央部分にテープが貼られてしまう。貼りやすいのは分かる。端っこの偏った位置に貼るよりも中央にベーンと貼りたくなる気持ちも分かる。ただ、すぐに食べたいのに、一回このテープをはがしてからでないとセロファンの中央を縦に裂くことができないのは地味にめんどくさい。そこはぐっと我慢して端っこの邪魔にならない位置に貼っていただきたいところである。

 ちなみに全然関係ないが、コンビニで購入できる食べ物のうち、カロリーパフォーマンス(値段あたりのカロリー量)が高いのは、ヤマザキミニスナックゴールドだと思ってます。

 

 長々と書いてきたが、これらに共通するのは、想像力の足りなさ、だと思う。もう少し言うと、この後お客さんがどういう行動をとるのか、ということについての想像力の足りなさだ。レシートで言えば捨てる人にとってはどうでもいいものだし、実際コンビニだとレシート入れに捨ててしまう人も多いが、取っておく人は大体紙幣を入れるところに入れて持ち帰る人が多いし、できるだけきれいな形で持って帰りたいと思うと思う。特に最近は家計簿アプリなども増えてきて、レシートをスマートフォンのカメラで撮る、という人も増えてきていると思うので、変なしわだったり曲げクセがついてしまうと、非常に困る。

 もちろん、小銭onレシートが絶対的に間違ってる、と言いたいわけではない。ただ人によっていろんな需要があるのでそうした人たちに対応できるようなオペレーションにしてほしい、と思うのである。

 確かにお店側としては商品を購入してもらった時点で役割を終えているわけで、そのあとのアフターフォローについて客側から求めるものでもないと思う。しかし、こうした「相手のその後の行動を想像すること」でサービス品質は格段に向上するし、そこに新たなビジネスの種が転がっているかもしれない。

 モノがあふれている現代で、ビジネスに差をつけるのは今後そういう部分になってくると思うのである。