打ち水ってホントに効果あるの?

 

 2020年に行われる東京オリンピックの暑さ対策として打ち水の協力を呼びかける、というニュースが少し前に話題になりました。個人的にはオリンピックの暑さ対策としての打ち水には懐疑的です。

 

 誤解のないように言うと、打ち水そのものについて効果を全否定しているわけではないです。正しいやり方でやれば確かに路面の温度も下がるし、体感温度もかなり変わってきます。正しいやり方というのはつまり、日陰で朝晩の比較的気温の落ち着いた時間に打ち水をする、ということです。要は一気に水分を蒸発させるのではなく、気化熱でじわじわと気温が上がりにくくなるようにするのが打ち水の本来の目的だと自分は理解しています。

 なので、打ち水によって気温や体感温度が下がれば、少なくとも見物客にとっては熱中症になりにくくなるかもしれないですし、オリンピックを観戦するのに過ごしやすくなる環境を作れるとは言えるかもしれません。

考えられる問題点

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飲食店は雰囲気が6割

 この前、久しぶりに心地よい外食ができました。

 友人と遊んで別れた後、晩御飯を何にしようか考えながら電車に乗っていました。楽しい一日を締めくくる晩御飯にしたい、とはいえ今月はまだ出費の予定もあるし、駅からの帰り道にあるスーパーにでも寄って、普段買わないお惣菜でも買って家で飲んで安く済ませようかと考えていました。

 最寄駅につき、駅を出るとそこには新装開店のご飯屋さんが。しかも開店記念セールで生ビールが半額とでている。料理の値段を見てみると駅前のお店の割に手ごろな値段。生ビールが半額とはいえ、家御飯にしようと決めたばかり。5分ほど迷った末、お店に入ることにしました。

 お店に入ると新しいお店らしく、元気よく店員さんが迎え入れてくれます。正直、一人で飲食店に入るとお店によっては歓迎されないこともあるので(特にテーブル席がメインのお店は席あたりの客単価が下がってしまうので)それだけで少しうれしくなります。席は2人分のさわやかな笑顔で注文を受けてくれます。おすすめを聞くと「全部おすすめですね!」「あ~、そのパターンですねw」。普段だと、いやそういうことじゃなく、と思ってしまうところですが、店員のさわやかな口調にこっちも気が緩んでしまう。鳥料理がメインのお店だったので、生ビールとよだれ鳥、その他何品か注文しました。

 お通しが出てきて、ビールを飲みながら料理が出てくるのを待っていると、アクシデントが。目の前のショーケースのふたが滑って自分の目の前に。幸いなことに自分側には特に被害もなく、お通しが少しこぼれたくらい。わざとなわけでもないので全然気にしていなかったのですが、先ほどのイケメン店員さんやらカウンター内にいた店員さんも謝ってくれました。全く気にしていないとはいえ、アクシデントに機敏に対応してくれる様は高ポイント。

 やがてお料理が出てきました。よだれ鳥は特製のたれに茹でた鶏肉を漬け込んだもの。ナッツの風味が利き、口当たりがあっさりしてる割にコクがある。それを一切れ口に運び、すかさず白飯をかっ込む。そして喉を通る感触を楽しみながら、ビールを流し込む。うまい。その他の料理もゆっくり食べていると、さらにアクシデントが。先ほどのショーケースのふたが再び席に。幸いほとんど食べ終えた後だったので、これまた特に被害もなかったのですが、店員さんは平謝り。いや、全っ然気にしてないですから・・!

 店員さんの気持ちの良い対応に後押しされ、〆のラーメン(鳥だし!)まで頼んで、大満足。料理と値段だけでも大満足だったのですが(正直利益出てるのかとすら思う)、お店を出る際もずっと謝ってくれてて、とにかくまったく嫌な気持ちにならず、心の底から心地よいと思える外食でした。こんな気分よく外食できたのはかなり久しぶりのことでテンションが上がりました。

お店の雰囲気は味を超える価値がある

 実は自分は普段はあまり外食をしません。遠出をしているときは別として、日常の場合は自炊することがほとんどなので、近所の飲食店もなかなか行く機会がありません。そういう自分が飲食店に求めるのは「心地よく食事ができること」です。複数人でお店を利用する場合は、「会話」というエッセンスが加わりますが、一人でお店を利用する場合は「お店の雰囲気」が大半を占めます。もちろん味や値段も大事ですが、味と値段はバランス次第で、安いけどそれなりの味、そこそこ値段はするけどおいしい、はどちらもそこまで影響しません。なので、合わせて半分いかないという意味で、味2割・値段2割といったところでしょうか。

 ではお店の雰囲気とは何かというと、それはもう店員さんの雰囲気につきます。どちらかというと小市民なので横柄にしたいわけではなく、愛想が良かったり、注文をしたいときにすぐに気付いてくれたり(さりげなくフロア全体に注意を払ってる)、ただそれくらいのことで十分なんです。しかし、これがなかなかできない店が多い。そうなると味と値段のバランスでしかお店をとらえることができない上、値段に比べて飛びぬけて味がよくない限りはプラスの評価ができず、通いたいと思う気持ちがそがれてしまうわけです。上記のお店はアクシデントに対して謝ってくれたことはもちろんありがたかったですが、重要なのはその有無ではなくて、自分というお客に対して向き合ってくれてる感、なわけです。

 飲食店においては、味と値段だけを見たら2:2でとんとんであったとしても、お店の雰囲気をよくすることができれば、2+6:2(味+お店の雰囲気:値段)で圧倒的に安く感じられるようになります。同じ値段で雰囲気のいいお店であればそちらを選ぶのはもちろんのこと、例え値段が安いお店があったとしても、2+6の割合を超える味を出すことはほぼ無理です。

 もちろん人によってはお店の雰囲気の割合がもう少し低いこともあるでしょう。しかし、心地よく食事をするか、窮屈に食事をするかどちらを取るかと言えば、ほぼほぼ心地よく食事をする方を選ぶはずです(ラーメンのように特殊な感覚を味わうお店は別として)。なので、飲食店を経営される方はその価値をもっと大事にしてほしいと思います。

 

 自分は少し遠回りしてでもまた上記のお店に行きたいと思いました。

『AirPower』をみてちょっと残念に思った話

 iPhone8からワイヤレス充電規格であるQi(チー)に対応し、公式の充電器である「AirPower」がもうすぐ発売されそうだとか。

そろそろ販売されそうな「AirPower」。パワフルな最大29W出力仕様で価格は高め…? | ギズモード・ジャパン
https://www.gizmodo.jp/2018/03/iphone-airpower-29w.html

 自分自身はiPhone使いではなくてAndroid使いですが、使っているGALAXY(2年ほど前に購入)がQiに対応していたため、ワイヤレス充電にはずっと憧れていました。ただ、普通の充電ケーブルに比べるとまだまだ高かったので考えあぐねていたところ、たまたま秋葉原に行ったときに寄ったお店で500円ほどで売っていたため衝動買い。スタンドタイプではなく、丸い平たいタイプのものでした。家に帰ってさっそく設置し、しばらく使ってました。

 使い勝手だけで言うと便利です。充電が始まると充電器が光る仕様だったので置いたのに充電できてない、ということはほぼなかったです。せいぜい枕元に置いていたせいで、寝ぼけて手か何かがあたってずれてしまったら朝になって悲惨なことになっている、というくらいです。今はもう使用していないのですが、それは使い勝手の問題というよりかは、ケーブル充電にくらべて発熱がすごかったので、怖くなって使わなくなってしまいました。iPhoneのワイヤレス充電の発熱具合はわからないですが。

ワイヤレス充電器に求めているもの

 とはいえ、まだワイヤレス充電にあこがれはあります。置くだけで充電が始まる未来的な雰囲気や利便性は確かに他には代えがたい体験です。

 しかし、AirPowerのデザインを見てふと思いました。

『わたしたちはワイヤレス充電の機械を求めているのだろうか』と。

 

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あなたをプロデュースする仕事

 AIという言葉がテレビなどでも取り上げられるようになり、AIにとって代わられる仕事・職業説いた特集もよく目にするようになった。AIの進歩で単純な作業はコンピュータに置き換えられ、今ある職業のいくつかはなくなっていくだろう、というものである。

 ただ、自分はちょっと違う意味で今ある職業は淘汰されていくことになるだろうと思っている。

サービスからライフプランニングへ

 対象となるのはいわゆるサービス産業(BtoC)である。現在多くのサービス業は、商品を販売したり、自社サービスを決まった形で提供しているところが多い。しかし、テクノロジーの進化や、考え方の多様性によって、今後はライフスタイルを重視したサービスに移り変わっていくと思う。

 そもそもサービスの提供はライフスタイルの変更を余儀なくされる。たとえばコンビニの場合、多くの店舗で24時間営業を行っているが、これは24時間いつでも商品を購入できるようであってほしいという需要ももちろんあったはずだが、いつでも開いていることで夜遅くまで出歩くことになったり、夜勤をさせやすくなったという社会構造の変化もあったはずだ(良し悪しはおいといて)。この場合はサービスの形に合わせてライフスタイルが変更された例になるが、今後は消費者のライフスタイルに合わせてサービスを提供するというビジネスが増えていくと思う。

 実際、ファミリーマートではフィットネスジムを併設した店舗を展開していくことを発表している。これはこれまで"いつでも商品を購入できるサービスを提供すること"から、たとえば会社の帰りにジムにより、体を動かした後、そのまま買い物をして帰る、"新しいライフスタイルを提案すること"にサービス内容がシフトしたと言える。

ファミリーマートがはじめる24時間フィットネスジム「Fit&GO」
http://www.family.co.jp/company/news_releases/2017/20171222_01.html

 ファミリーマートの例は新たな設備を伴う大きな変革であるが、こういった取り組みは規模の大乗に関わらずどんどん増えていくと思う。スーパーのレシピ提供などもその一つの例だ。ある食材に対して、晩御飯のメニューを提案したり、カレー用野菜セットなど必要な食材をまとめて購入できるようにするなども、小さいことではあるがライフスタイルの提案である。もしかしたらコンビニなどでも、給食のように献立や曜日別弁当のようなものが提供されて、好きなものを選んで買うことから、体にいいものや食生活のバランスなどを意識したメニューが出てくるようになるかもしれない。

 余談だが、季節系の商材などももう少し提案ベースにすれば社会に浸透しやすかったかもしれないと思う。「恵方巻きです!ドーン!」と並べられるより「今日は冬至です。晩御飯にカボチャを使ったメニューはいかがですか?」と言われたほうが、天邪鬼な自分は受け入れやすいと思うのである。

様々なサービスが連携する社会へ

 少し話が逸れてしまった。

 なぜこれが職業淘汰の話に結びつくかというと、上記の例は食事にフォーカスした小さな範囲での提案であるが、今後はより広い範囲でのライフスタイル提案がされるようになると思うからである。そうなると、一つのサービス業ではスタイルの提案幅に限界がでてくるため、他のサービス業を吸収合併したり、業務提携をするといったことが増えてくると思うのである。

 朝カフェに寄って朝食をとり、昼はコンビニでお弁当を買い、夜はスーパーに寄って食材を買う、といったことが一つのサービス内で収まり、それぞれ相互に連動した情報を扱っているとしたら。例えば購入したもののカロリーが自動で計算されるような仕組みになっていれば、単に食事を提供するというサービスであっても、やっていることは健康の提案になる。これが先ほどのフィットネスジムのように他業種とも結びつき、それぞれのライフスタイルに合わせたサービスや、新しいライフスタイルを提案する産業が今後拡大していくに違いない。

 そうなると、ただ単に商品を提供するサービスは減っていく(完全にゼロにはならないと思うが)。そのサービスを提供することでどのようなライフスタイルを提案できるのか、ということがサービス提供の基軸となる。現在でもライフスタイルアドバイザーという職種はあるが、今のところそれは個別ユーザーに対してアドバイスをするという仕事にとどまっている。しかし今後は、ライフスタイルをベースに企画を立てることができるプランナーというものが重視され、企業で引っ張りだこになるだろうと思っている。

 ただ単においしいもの、ただ単に便利なもの、ではなく、どこで(誰と)おいしいものを食べるか、便利になることで何が変わるのか、まで考えたサービス設計が必要になる。

 この辺りはカスタマーサクセスマネージャーと考え方のベースは同じだが、サービス単体のサクセス体験だけでなく、より広い視点を持ってサービスを考える、場合によっては他のサービスを進める、といったことがサービス産業のどの職業にも求められるようになってくる。

 

 テクノロジーの進化で人々の生活は余裕が出てくる。しかし、空いた時間を活用して新しいことを始めたり、といったライフスタイルの変更を考える人は意外に少ない。そういったときに、トータルしてライフスタイルをプロデュースできるサービスが、今後の成長産業になっていくと思う。

危うい会社の特徴

 普段は割と人のおすすめの本を読んでいることが多いのですが、珍しく本屋に行って珍しく手に取ったのがこちらの本「あの会社はこうして潰れた」(藤森徹著)です。

 

 内容は実在する(していた)会社が倒産に至るまでの経緯をまとめた本で、これといった主張があるわけではないので、人によっては読み終えた後の読了感のようなものは得づらいかもしれません。特に経営者や頻繁に取引先の企業とやり取りをするような方以外は、ここから得られる教訓は少ないと感じるかもしれません。

 自分も仕事的には今のところ取引先とやり取りをするようなことはほぼないのですが、危うい会社を知るということは、自分の身を守るために必要なことだと思っています。特にサラリーマンにとって自社が順調なのかどうかは死活問題です。この本はそれに対する解決策を提示するわけではないですが、危険を察知するための材料にはなり得ると思います。

 以下は、自分なりに感じた危うい会社の特徴です。

 そもそも経営者が自社に愛着がない場合は論外として、基本的に時流の波(バブルの崩壊やリーマンショックなど)に逆らえなかったということを除けば、下記のような特徴が言えると思います。

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ビジネスの種は目の前に転がっている

 前回の記事でコンビニコーヒーについて触れたが、コンビニについて(というかコンビニのレジ打ち)は思うところが多い。

 一応断っておくと、自分は以前にコンビニでバイトをしたこともあり、そこそこ捌きも早かった。お昼時のピークなどは、「こっちのレジは早いからなるべくこっちで会計したい」と言ってくれたお客さんもいた(一人だけだが)。コンビニ店員の大変さはそれなりによく分かっている。

 だからこそ、ちょっとしたことで、ん?となってしまうことが多い。めったにコンビニを使わないからなおさらだ。

1.小銭onレシート

 これについては賛否両論あると思うが、個人的にレシートを手の上において、そこに小銭を乗せるという渡し方が大嫌いである。これはコンビニに限らずどこのお店でもそうだ。理由は、それをすることで小銭を落としにくくなるという効果が感じられないのと、レシートがくしゃくしゃになってしまうからである。

 レシートは言うまでもなく購入証明書であり、人によっては保管しておく人もいる。自分もとっておくタイプなので、くしゃくしゃにされることで保管しにくくなるのがすごく嫌なのだ。なので理想は、小銭を手のひらの上に置いたあとで、紙幣と一緒に渡すか、紙幣のお釣りが出ない場合は、小銭を置いた手のひらの上に、手に取りやすいように渡すことである。

 コンビニでレジ打ちをしていた時は、レシートを受け取らない人も多かったため(特に男性)、小銭を先に渡して、レシートは受け取っても受け取らなくても構わないような微妙な距離で持って準備しておく、ということをしていた。受け取らない場合はそのままレシート入れに置くし、受け取る方は小銭をしまった後で、紙幣を入れるところにしまわれる場合が多いので、それなりにスムーズな流れだったと思う。

2.レシートを折って渡す

 これも腹立たしい案件。まとめ買いが多かったり、クレジット払いすることが多いのでどうしてもレシートが長くなってしまうのだが、これを勝手に折って渡されるのも好きじゃない。あまつさえ小銭onレシートをされようものなら、クレームをつけかねないほどだ。ガマンするけど。

 これも嫌だと思う理由は2つあって、確かに財布に入りきらないくらい長いレシートになることはあるので、財布に入りきらない長さの場合は自分も折ってしまう。ただ、店員の折り方は雑なことが多く、端と端がそろってない折り目だったり、品目リストの途中などで折られるのも嫌なので、結局折り直すことになりただの手間でしかない。もう1つの理由は、ほとんどのレシートは感熱紙で印刷されるため、保管する際は印字面を内側にして折る必要があるが、レシートを折る店員はほぼ100%の割合で印字面を外側にして折る。レシートが必要な人は購入証明書として利用するからしまうのであり、その保管のためには内折りが必要、ということを考えれば、店員が折るにしてもどっち向きに折るべきか考えられそうなものである。

 そもそも購入証明書としてレシートが長くなった場合はしょうがないとしても、レシートの下に広告が追記されることでレシートが長くなるのはどうかと思う。プロモーションをするにしても、2枚に渡って出てくるか、切り取り線を入れておいてほしいところだ。

3.おにぎり

 コンビニ自体を滅多に利用しないのだが、たまに生命維持活動に必要なカロリーが足りなくなることがあり、飛び入りで食べ物を買うことがある。食べ物の種類はさまざまだが、その中でおにぎりを買った時の話。

 今すぐ必要な最低限のカロリーを得るための購入だったので、おにぎりを購入し、レジ袋は断った。すると店員は購入した証として、店舗用のテープを商品に貼った。ここまではよく見る光景である。しかし、貼った場所が問題だ。コンビニのおにぎりはほとんどが、最初におにぎりを包むセロファンの中央を縦に裂く、ことから始まる(パックタイプを除く)。しかし、おにぎりを購入してレジ袋を断ると、そこそこの確率でこの中央部分にテープが貼られてしまう。貼りやすいのは分かる。端っこの偏った位置に貼るよりも中央にベーンと貼りたくなる気持ちも分かる。ただ、すぐに食べたいのに、一回このテープをはがしてからでないとセロファンの中央を縦に裂くことができないのは地味にめんどくさい。そこはぐっと我慢して端っこの邪魔にならない位置に貼っていただきたいところである。

 ちなみに全然関係ないが、コンビニで購入できる食べ物のうち、カロリーパフォーマンス(値段あたりのカロリー量)が高いのは、ヤマザキミニスナックゴールドだと思ってます。

 

 長々と書いてきたが、これらに共通するのは、想像力の足りなさ、だと思う。もう少し言うと、この後お客さんがどういう行動をとるのか、ということについての想像力の足りなさだ。レシートで言えば捨てる人にとってはどうでもいいものだし、実際コンビニだとレシート入れに捨ててしまう人も多いが、取っておく人は大体紙幣を入れるところに入れて持ち帰る人が多いし、できるだけきれいな形で持って帰りたいと思うと思う。特に最近は家計簿アプリなども増えてきて、レシートをスマートフォンのカメラで撮る、という人も増えてきていると思うので、変なしわだったり曲げクセがついてしまうと、非常に困る。

 もちろん、小銭onレシートが絶対的に間違ってる、と言いたいわけではない。ただ人によっていろんな需要があるのでそうした人たちに対応できるようなオペレーションにしてほしい、と思うのである。

 確かにお店側としては商品を購入してもらった時点で役割を終えているわけで、そのあとのアフターフォローについて客側から求めるものでもないと思う。しかし、こうした「相手のその後の行動を想像すること」でサービス品質は格段に向上するし、そこに新たなビジネスの種が転がっているかもしれない。

 モノがあふれている現代で、ビジネスに差をつけるのは今後そういう部分になってくると思うのである。

オフィスでスタバる話

 コーヒーは好きなので毎日飲んでいる。毎朝起きたらすぐにお湯を沸かし、ドリッパーにコーヒー粉をセットしてコーヒーを入れるのが日課だ。こう書くとさぞおしゃれな生活をしているんだろうと勘違いしていただけそうだが、実際は単にインスタントよりも安いからに過ぎない。ドリッパーをプレゼントでもらってしまった手前もある。

 それはさておき、家に限らず外でもコーヒーを飲みたくなることはある。そういう時に手軽に買えるのがコンビニのコーヒーである。

 最近はコンビニ各社が力を入れていることもあって、ワンコイン100円でなかなかの味のコーヒーが飲めるようになった。ありがたいことである。しかし、コンビニコーヒーには少し不満に思うところがある。それは持ち運びしづらいことである。もちろんフタはつけるのだが、蒸気ぬけの穴が開いているし、そもそも紙コップにかぶせるフタなので密閉をすることができず、どうしても歩いて持ち運ぶ途中に漏れてしまう。「いやコンビニから会社までそんなに離れてないだろ」と思われるかもしれないが、歩くルートを考えると最寄りのコンビニよりも、少し離れていてもルート沿いにあるコンビニを利用したほうが近いケースもあり、なかなかそう簡単にはいかない。コンビニで買ったコーヒーをその場で飲む場合のほうが少ないはずなのでサービス設計の問題の気がするが、このあたりはぜひコンビニ各社の皆さまに検討していただきたいところである。

(一度、持参のポットに移し替える方を見かけたことがあるが、それなら初めから家から持ってくるわ、と思う貧乏性のワタシ)

 

 そんな折、スターバックスがオフィスに専用マシンを貸し出す、というニュースが目に飛び込んできた。

職場で「入れたてスタバ」専用マシン貸し出しへ
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20180219-OYT1T50011.html

 記事の中ではコンビニのコーヒーについても触れられているけど、上記のとおり、コンビニのコーヒーは持ち歩くのが大変なので、初めからオフィスに入り込んでしまう、というのは自然な流れ。似たようなサービスとしてネスカフェバリスタ(ネスカフェアンバサダー~♪のあれ)があるが、オフィスグリコなどとも同じで、店舗に足を運んでもらいづらければ、よろしいこっちから出迎えに行ってやろう、という潔い決断で、自分は嫌いじゃない。

 ただ、これを導入する側で考えた場合、レジャー施設についてはとりあえずおいておいて、記事にあるオフィスで1日100杯も売れるイメージがつかない。気前のいい企業はフリーサービスにするかもしれないし、実費払い程度で済むこともあるかもしれないが、それでもそこそこの規模のオフィスでないと、1日100杯も出ないと思う。1日100杯出そうと思うと、70~80人くらいのコーヒー好きが必要で、コーヒー好きの人がおよそ3分の1としても、250人以上の規模のオフィスでないと、なかなか目標には到達できない。

 何が言いたいかというと、オフィス単位ではなく、オフィスビル単位とかのサービスにならないか、と思ったわけで。オフィスの管理会社が契約して、実費+αでコーヒーの価格を設定し、オフィスビル内に出入りする人であれば誰でも購入可能にする。東京の規模の会社だとオフィスビル単位だと数千人が出入りしそうだが、地方のオフィスビルであればそこまでの規模のオフィスがそもそも少ないので、1~2台もあれば十分賄えるし、エレベーターの近くにでも設置しておけば、ほとんどの人が目にするため、購入にもつながりやすい。お昼休みにコンビニで買い物をして、戻るついでにコーヒーを淹れてオフィスに戻る。あるいは昼食を終えて、食後の一杯かもしれない。持ち歩きもエレベーター内とエレベーターからオフィスまでに気を付ければいいので、こぼれる心配もほとんどない。何と優雅な昼の午後だろうか。(エレベーター内でこぼしたら大惨事だが) 業務中に気軽にコーヒーを淹れに行けないと思われる方もいるかもしれないが、簡単なことである。コーヒーマシンをエレベーター内においてしまえばいい。そうすればコーヒーマシンの方からオフィスに近づいてきてくれる。

 エレベーター内に置くのは極端としても、要は、サービス導線をどうやって設けるか、っていうことが大事って話だ。こういうサービスは得てして東京目線で考えられがちなので、どうやって全国各地それぞれの得所に合わせて広げていくか。スターバックスならではの細やかな気遣いに期待したい。